函館の不動産は本当に売れないのか

28年ぶりに上昇へ転じた公示地価から考える


先週も、「函館の家は売れないと言われました」というご相談をいただきました。

こんにちは、有限会社日本プロパティの齋藤です。


函館市内に築40年ほどの戸建てをお持ちの方です。

他社では、根拠の説明がないまま「このあたりは厳しい」と言われたそうです。


人口が減っている街ですから、その言葉をそのまま受け取る方は多いと思います。

ただ、公的な数字を並べると、違う景色が見えてきます。


この記事の結論
函館市の住宅地の公示地価は2026年に0.1%上昇し、28年ぶりにプラスへ転じました。売れないのではなく、値付けと売り方が合っていない物件が多いのが実情です。


函館の住宅地は、28年ぶりに上昇へ転じました

国土交通省が2026年3月18日に公表した令和8年地価公示で、函館市の住宅地の平均変動率は0.1%でした。北海道が取りまとめた資料では、28年ぶりに上昇へ転じたと整理されています。


住宅地の平均価格は1平方メートルあたり39,300円です。商業地は1.3%の上昇で、2年連続のプラスとなりました。


北海道全体では住宅地が0.6%、札幌市が1.1%です。函館の伸び幅は小さいものの、長く続いた下落が止まった意味は小さくないと考えています。


人口は減っています。それでも取引は動いています


函館市の人口は2026年7月末時点で230,532人、世帯数は137,428世帯です。65歳以上の割合は37.8%となっています。


人口が減れば買い手も減る。その理屈は間違っていません。ただ、住宅を買う単位は人ではなく世帯です。


私の実感でも、雪かきの負担を理由に広い家から小さな家へ移りたいという方は増えています。


北海道の空き家率は15.6%。
競争相手は増えています


2023年の住宅・土地統計調査によると、北海道の空き家率は15.6%で、全国の13.8%を上回りました。空き家数は45万1,900戸で過去最多です。


売る側から見れば、買い手を取り合う相手が増えたということです。地価が下げ止まっても、何もしなければ埋もれます。

「売れない」と言われる3つの理由と、その打ち手

ここからは都合の悪い話も含めてお伝えします。「売れない」と言われた物件には共通点があります。


言われ方実際に起きていること 打ち手
相場より高い値付け(高預かり) 最初の3か月で反応が取れず、値下げの繰り返しになる 成約が見える価格帯に最初から置く
買い手像がずれている 子育て世帯向けに出しているが、反応するのは職人や投資家 想定する買い手を変え、写真と文章を作り直す
掲載しただけで終わっている ポータルサイトに載せたきり、写真も説明文も変わらない 反応を見ながら見せ方を入れ替える

高預かりは、業界の内側の話です


媒介契約を取りたいがために、相場を無視した高い査定額を出す会社があります。


売り出しても動かず、値下げを重ね、最後は適正価格より安く買い叩かれる。この経路をたどった物件を何件も見てきました。


大手はノルマの都合上、手数料の大きい物件を優先しがちです。築古の戸建ては、ネットに載せるだけで後回しになることがあります。


正直に申し上げると、売りにくい物件もあります


どれだけ手を尽くしても売りにくい物件は、確かにあります。接道が取れていない土地、再建築ができない敷地、私道の持分がない家などです。


買い手が住宅ローンを組みにくく、現金で買える層に限られてしまいます。価格を下げて早く手放すか、解体して土地として出すか、条件を整えるかの選択になります。


都合のよい方法があるかのような説明はいたしません。

価格の付け方で結果が変わったケース

以前、離婚にともなって自宅を手放すことになった方がいらっしゃいました。ペアローン(夫婦がそれぞれ住宅ローンを組む形)に加えて他の借入もありました。


残債の一括請求と差し押さえが迫り、時間の余裕がありません。私は最初から現実的な価格で売り出し、1週間おきに価格を見直しました。


結果として期限内に売り切り、債務の整理は提携先の弁護士へ引き継いでいます。高く出して待つ選択もありましたが、待ち時間はこの方にとって費用と同じでした。


価格は「いくらで売りたいか」ではなく「いつまでに終えたいか」から逆算するものだと考えています。


今日からできる3つのこと

  1. 1.手元の資料をそろえる。登記の書類、固定資産税の通知、間取り図があれば十分です。

  2. 2.相場を自分の目で見る。国土交通省の不動産情報ライブラリで、実際の取引価格や公示地価を無料で確認できます。

  3. 3.査定は金額ではなく理由を聞く。なぜその金額かを説明できない査定は、根拠がないと考えて差し支えありません。


一括査定サイトは、各社が一番に連絡を取ろうと競う設計になっています。その結果、自社の都合が優先された強引な営業になりがちです。


数字だけを知りたい段階なら、公的なデータを見るほうが落ち着いて判断できます。


よくあるご質問

函館市内でも、エリアによって売れやすさは違いますか?


違います。湯川町や美原、昭和のように生活利便性の高い地域と、西部地区の斜面地では、反応する買い手の層が変わります。七飯町や北斗市も、通勤や通学の事情で見られ方が異なります。


築40年を超える家でも売れますか?


売れているケースはあります。函館では、古い家を安く買って自分で直す前提の買い手が一定数いらっしゃいます。ただし傷みが進んでいる場合は、解体して土地として出すほうが早いこともあります。


遠方に住んでいますが、相談だけでもできますか?


できます。打ち合わせは訪問でもオンラインでも対応しています。机上査定は無料で、お名前を伏せた査定でも構いません。


相続や税金が絡む場合はどうなりますか?


税理士や司法書士など各分野の専門家と連携して進めます。税務の取り扱いはご事情によって変わるケースが多く、最終的な判断は税理士にご確認ください。


まとめ

函館市の住宅地の公示地価は、2026年に28年ぶりの上昇へ転じました。


「売れない」と言われる原因の多くは、市場そのものではなく値付けと売り方にあります。


ご自宅がどちらなのかは、数字を並べれば見当がつきます。まずは話だけでも聞かせてください。


函館・道南の不動産のご相談

売る、売らないを決める前の段階で構いません。


初回のご相談は無料です。


机上査定も無料で、お名前を伏せたざっくりした査定でも歓迎いたします。


当社は完全成功報酬制で、売買契約が成立し決済が行われるまで費用はかかりません。


ご相談はお問合せフォームからどうぞ。


この記事を書いた人|齋藤 卓治(さいとう たくじ)

有限会社日本プロパティ代表。業界歴10年以上。


実家が大家業を営む環境で育ち、自らも不動産の収益性をシビアに見つめてきました。


宅地建物取引士、1級建築施工管理技士、2級土木施工管理技士、遺品整理士。


建築の知識を活かし、打ち合わせから売買・建築サポートまで専属担当者が一貫して伴走するエージェント制をとっています。


弁護士・税理士・司法書士など各分野の専門家と連携し、良いことばかりを並べず、厳しい現実も正直にお伝えすることを大切にしています。

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